サムタイムときどき、サムシングなにか。

2017年11月10日

山本です。
私は異業種の方とお話したり、
さまざまな職場見学や実際に仕事を体験する機会をなるべく作るようにしています。

個人的に興味があるということもありますが、
生徒に情報提供などでそれをフィードバック出来ることも理由になっています。

そんな中、ある場所で話題になったのは、学生の就職の話です。
就職試験のエントリーシートに大学名を記入させない企業も増えてきている、とのこと。
ましてや高校名など・・・。

これはとても喜ばしい流れだと思っています。
「どこの学校」ではなく「どんなひと」で「何をしてきたか」という、
至極当たり前のことが注目されるのです。
古臭くて田舎臭い価値観ではどんどん時代遅れになっていきます。

未来を生きる若者には未来の価値観に対応できる力を。
大人は常にそれを意識し、悪影響を与えないようにせねばなりません。

私は打算的な進路選択を勧める大人が大嫌いです。

「これからは介護だから」
「これからは中国だから」
「これからは○○だから」・・・。

10年前そんな大人の言葉に従い、さして興味のないままそれら分野に進学したひとの中で、現在その道を意欲と喜びを持って進んでいるひとがどれくらいいるでしょう。

儲かるから、おいしいから。
そんな理由で進路を選ぶことは、結果的にほとんど意味はないでしょう。
わたしたちの仕事と同じく、
福祉という仕事をそんな気持ちだけでやってなんかいられないと思います。

同様に社会人になってから、
「士業は儲かるから」と専門学校やスクールに通う人の挫折のなんと多いことか。

今さらながら志というものの大切さを思います。

「やりたいことがないならとりあえず大学」というのなら、
もしくは「学歴だけ欲しいから大学」というのなら、
何も高い学費を払う必要はありません。

通信制なら年間20万円以下で学ぶ事ができる大学がいくらでもあります。
ただし、通信制は自ら学ぶ意志がないととても続けられませんが。

卒業して次の道に進むのもよし、
お金と単位をためて普通の大学に3年次編入するもよし、
大学院に進むのもよし。

いずれにせよ主体的に学んで初めて得られるものがあることを知るのは
とても価値あることだと思います。

新卒で上場企業に就活を行うのでなければ、それほど不利もありません。
それさえも将来あまり関係なくなる可能性があります。
逆に言えば、大学で学問が何も身に着いていないひと、
中身のない「就活対策」しかやっていないひとは
どんどん肩身の狭い思いをすることでしょう。

10年前、日本では
テレビはアナログ放送でブラウン管。
ツイッターやフェイスブックも存在せず、
LCC(格安航空会社)もありませんでした。
ユーチューバーやドローン専門家、
データアナリストやスマホアプリ開発者
なんていう職業も認知されていませんでした。

10年後、
どうなっているかは必ず現在にヒントがゴロゴロ転がっています。
でも、ゴロゴロ転がっているはずのそれは、
なかなか目につかないところに隠れています。
一見わかりやすいものがあったとしても、それは短期間で消え去ったり、
実はとても不安定だったりして10年もたないニセモノかもしれません。

「これからはAI」は疑いようがありません。
ディープラーニングによって、
”第4次産業”は産業革命以来の大変革の主役になるでしょう。

しかし、大切なのは「AI ✕ 何か」、

この何かの部分です。
コンピュータ自体に興味のある人ならともかく、
そうでなければその「何か」を磨くことこそが必要になってきます。

洪水のように押し寄せる情報の中を、いかに泳ぎきり必要なものをつかむか。
悪いやつに騙されたり搾取されずにそれが出来るのか。
未来を決める行動を左右するのは学びの質だと思います。
決して学歴ではありません。

このようなことも念頭に若者と向き合うこと。
それがわたしたちのような場所において必要なことであり、
規模が大きくてもそれができていなければ
存在価値は無きに等しいでしょう。

若者のサポートを通して、
持続可能な社会ーしかもやさしく元気な社会ーづくりを目指す。
これが私たちの役目だと思っています。