おとなたちを責めないで

2017年9月23日

臨床心理士でも医師でもない人物が
「ああそれ発達障がいですね」
などと断じることはとても大きな罪だと思います。

教育関係者にもその他支援者にも
そんなことを軽々しく言う資格はありません。

時間と労力をタップリかけてトレーニングをしてきた
臨床心理士や医師でも、信頼に欠ける人が沢山いるというのに。

素人診断の弊害は他にも耳に入ってきます。
お金を取ってカウンセリングまがいのことや、
フリースクールを運営している者が、
必要以上に保護者を責める、という事例です。

もちろん中学校の教員から
「あなたの育て方が間違ったからだ」
と言われた、なんて話もあります。
いずれも百害あって一利なしなのは言うまでもありません。

正直、保護者に問題を感じることもあります。
だけど、責めることには全面的に反対です。
そのような支援者はその人自身の生育歴などの影響で、
「子どもは被害者、親は加害者」
と過度に捉えてしまっているのではないでしょうか。

親のケアもしたり、親から子供を引き離して面倒を見るならともかく、
責めるだけでは何も残りません。

子供のケアだけしたい、大人のことなんか知ったこっちゃない、
なんて事は不可能です。
だってほとんどの子どもはどんな親でも大切に思うし、
一緒に暮らしているなら大きく影響されるものですからね。
そこ上手くやってこその支援だと思います。

私は、保護者の方と出来れば頻繁にお話したいです。
お互いの気持ちを理解し、
チームとして生徒に関わっていくことが大切だと思っています。

先日、発達個性の強い子どもたち対象の音楽教室にお邪魔しました。
とてもいい雰囲気でした。
その理由のひとつに、
お母さんたちがメンバーの一員になっているからだと気づきました。

何でも、子供の伴奏するなど、音楽を通して立場の逆転を経験することが
親に大きな気づきを生んでいるんだそうです。
いいなあ、と思いました。
講義や読書では得られない体験的な学び。
大人はともすれば思考に柔軟性が不足しがちです。
それを音楽を通してほぐす、別の見方を得る。
親子関係の変化がどんどん好結果を生む。

ああ、音楽やアート、芸術の力はすごいなあと羨ましくなりました。

もうひとつ、私が許せない事は、
お金を取って支援している人が、
子供や親に占いなどのスピリチュアルなものに誘う事です。

私は個人的には科学で解明出来ないものは世の中に無数にあると思っています。
寺社仏閣をはじめスピリチュアルなものは嫌いではありません。

でも、お金を取って支援している人の弱みに付け込むような
スピリチュアルなものへの誘いはアウトだと思います。

良かれと思ってかなんか知らんがわきまえろよ、と強く思います。
お前の占い好き知らねえよ、って話です。(私怒ってます、はい。)

そんなものは自分で見つけて自分でやればいいんです。
ネズミ講誘うのと変わらないと自覚した方がいいです。

どうしてもやりたいなら
お金のやりとりがある前に方針をハッキリ伝えろよ、と思います。
自分の行為がいかに他人に精神的圧力を与えるかの自覚もない人は
若者支援に手を出すなと思います。

科学的なものとスピリチュアルなもの。
どちらも現代において慎重に向き合わなければいけないものです。
頑なな心がほぐれたら、悪いものもまた染み込みやすくなります。
私も含め支援者は、
職業倫理をしっかり持ち若者に関わらないといけないと思っています。